TOP > インターナショナル・プリスクール Chelsea Enrichment School:チェルシー・エンリッチメント・スクール「CHES」 日記 > 2011年CHES春休みホリデー・クラスを振り返って
3月末から4月上旬にかけてCHESでは春休みのホリデー・クラスを約2週間にわたって開催しました。ホリデー・クラスの対象年齢は、2歳から小学校までのお友達。つまり、学齢の差、英語環境の差など、それぞれ環境が異なる多くのお友達が一箇所に集まってきます。
「英語」という共通ツールをどのように提供し、共有することができるのか、これはそれぞれの環境差が比較的少なく、また少人数で運営しているウィークリー・クラスの運営以上に、私たち教師にとっても、大きな課題だったのです。
そこで今回は、春のホリデー・クラスを振り返りながら、幼いお友達が、より最短距離で、英語を自然と受け留めてくれるためには、果たしてどのような「環境」が理想的なのだろう? という課題についてお話しします。
結論からお話しすると…
幼い子どもたちが英語を身につけていく最短距離なのだろうなぁと、私なりに改めて実感したこととは、次の3つの「環境」です。
1:一定の期間、ぎゅっと英語の環境を経験できること。
2:幅の広い年齢層の集団活動を経験できること。
3:学ぶ内容が、お友達の知的好奇心を刺激する身近で興味のあるTOPICであること。
それぞれの項目について、もう少し具体的にお話ししていきますね。
1:前回のホリデーは、約2週間。一定期間、ぎゅっと英語の環境を経験できたこと。
ホリデー・クラスを開催した後、いつも驚かされるのが、CHES-Friendsの英語力の「伸び」かたです。「伸び」と、単純に表現していいのかどうか、少し迷うところもあるのですが、英語への「興味」、または英語への「姿勢」、もっとひらたく表現すれば、英語への「くいつき」ということになるのでしょうか。
表現はともかく、必ず何人かのCHES-Friendsはびっくりするほど変化してしまうことがあります。おそらく、スイミング・スクールでの練習も、ある意味同じ状況なのだと思います。継続的に毎週1回スイミングの練習に通っていた子ども達が、ある時期、短期集中コースに参加した途端、一気に上手になる瞬間ってあるじゃないですか。
集中して「英語」環境のなかにはいれる機会は、日本ではほとんど体験できないので、ホリデー・クラスのように一定期間集中して英語の環境にはいってしまうと、それまでに蓄積されていた何かが一気に噴き出すような変化になるのかもしれません。
これは、経験的にも肯けるところで、息子たちがまだ幼かった頃、たとえ1週間でもシンガポールに滞在するだけで一気に英語力が伸びたなぁと感じることがありました。
2:2歳から小学生までの幅の広い年齢層の集団活動を経験できたこと。
次に、私なりに改めて実感したことは、一定期間、一定の集団活動を経験できたことについてです。
最近の心理学の研究では、人間の3大欲求について、その1つが「睡眠欲」ではなく、人間は1人では生きていけないという「群集欲」に修正しているという学説があると聞いたことがあります。
英語を学ぶスタイルには、「マンツーマン型」と「教室型」があるわけですが、前回のホリデー・クラスでも、特にまだ幼いお友達は、やっぱり教室で集団活動しながら学んだほうがいいなぁと、改めて感じました。
たとえばTo君。To君は、どちらといえば少し甘えん坊でのんびりキャラ。こんなTo君が、ホリデー・クラスが終わり、再び通常のウィークリー・クラスが始まると、前もってテキストに目を通してきたりしていて、すっかりしっかりキャラに。
これには、私もびっくりしてしまいました。
実はTo君、昨年末の冬のホリデー・クラス期間中も、いきなりのんびりキャラを返上、急にしっかりキャラのお兄ちゃんになって、まだ英語に不慣れな小さなお友達のサポートをするだけでなく、先生のアシスタントも引き受けるほど積極的にクラスに参加していたのですが、今回はそれ以上の変わりぶり。
同世代のTa君やK君に囲まれて刺激を受け、さらには自分よりも、まだ幼いお友達に囲まれて、To君は自分の立つ位置を再認識できたのかもしれないなぁと、私は推測しています。
もしも先生と1人で向き合っているようなマンツーマンのクラスだったら、子ども達はかえって甘えキャラをいつまでも返上することができないのかもしれません。
大人が意識している以上に、子ども達は日々一刻、絶えず成長しているのだということも、あわせて確認することができました。
3:身近で興味のあるTOPICは、日本語であれ、英語であれ、お友達の知的好奇心を刺激すること。
前回のホリデー・クラスの大きなTOPICは、“Spring Island”だったわけですが、春は“生れる”季節。たとえば、お友達が大好きな生き物や昆虫の“Life Cycle”にもフォーカスしてみると、タマゴから幼虫、さなぎやまゆ(繭)を経て、成虫になる過程を確認していくことができます。
すると、「繭って英語ではどのように表現するの?」という疑問が自然と沸き起こり、「ふ~ん、“a cocoon”っていうの」。
それなら幼虫は? 蝶は? 蛾は? 「蝶と蛾は違う単語なんだぁ」。さらに、てんとう虫は? かぶと虫は? 「アッ、クワガタは?」とか、CHES-Friendsの興味はどんどん広がっていきました。
まさにCHES-Friendsの「知的好奇心」が刺激された瞬間なのでしょう。
また、「それ、見たことあるでぇ」という声がこちらであがると、 “I saw a~.”というセンテンスを提示。
「~」の部分を空白にしたままいくつかセンテンスをホワイトボードに書いておくと、“a butterfly”や“a ladybird ”という先ほどCHES-Friendsが思いついて興味を感じた生き物の英単語を入れていくだけで、「あっ、こうしたら英語の文章になるんだぁ」。
でも、「あんまり好きちゃうわぁ」という声に対しては、じゃあ、なにが好き? と聞き返して、“I like a~”を書いておくと、今度は、CHES-Friendsが好きな生き物の英単語いれてセンテンスが、みるみるうちにいくつも完成していきました。
もちろん、私にとって嬉しい誤算、というのか想定外(!?)のハプニングwも。たとえばTちゃんの教え魔キャラwww。ただ教えてもらうだけでは飽き足らず、私のスキをみつけてはホワイトボードの横にたち、指差しながら、“It's a ~”とお友達に大声で教えてくれていました。
どうやらTちゃんは、私がセンテンスについて説明する際に、名詞の前につく冠詞の“a”を強調していたときの口調を真似ていたようなのです(汗)。これ以降、お友達は順番に先生役と生徒役に入れ替わり、“It's a ~”と、いくつかのセンテンスを順番に読みながら大声をあげては大爆笑の繰り返し。
でも、これだけ繰り返し声にだせば、すっかり頭に入ったはずです(フフッ)。こうして、“input”することと、教えることを真似ることで“output”することが自然と出来たことは大収穫。これも「知的好奇心」が刺激されたからでしょう。「学ぶ」の語源が「真似る」と言われているのも肯けます。
2歳から小学生のお友達が一緒になって、CHES始まって以来、初めての2クラス同時開催という春のホリデー・クラス。
開催前は、ソニファ先生もゴーリカ先生も、そして私も、かなりはらはらドキドキしていたのですが、終わってみれば、参加してくれたCHES-Friendsみんなも本当に楽しそうだったので大成功だったと思います。
そして、やっぱり、先にお話したこれら3つの環境が、幼い子どもたちが英語を身につけていく最短距離なのだろうなぁというこも、私なりに改めて実感することができたのです。
CHESのBlogでも、3回にわけて画像つきで、かなり詳しく振り返ってみましたので、ぜひご参照ください。
2011年春休みホリデー・クラスを振り返って(1)
2011年春休みホリデー・クラスを振り返って(2)
2011年春休みホリデー・クラスを振り返って(3)
各ご家庭での実際の英語育児の場でも参考にしていただければ、幸いです。
春休みのCHESホリデー・クラスの様子はYouTubeにもアップしてみました。ぜひ、CHES-Friendsの楽しそうな様子をご覧ください。今回は、かなり気合をいれて作ってみましたので、ぜひ、↓こちらからご参照くださいね。
http://www.youtube.com/watch?v=5aM8TALGz6Y